2011年7月19日更新
この度、エリカアコオ・グローバルダンスシアター主宰の舞踊家・亜甲絵里香の次男の瀬河寬司が、アメリカを代表する舞踊団「アルビン・エイリー・アメリカン・ダンスシアター」と5月2日に契約を交わし、正式メンバーとして入団致しました。
同時に本年7月1日からは、同舞踊団の芸術監督が、アルビン・エイリーの後を継ぎ、23年間にわたりカンパニーの更なる発展に努めてきたジュディス・ジャミソン女史が引退し、バトルワークス・ダンスカンパニーのロバート・バトル氏が就任することとなりました。
ジュディス・ジャミソンさんは、アルビン・エイリーの下で数々の名作を踊り、アルビン・エイリーの死去と同時に芸術監督に就任。今日までシアターと共に歩み、シアターの繁栄を築き上げてきましたが、今年6月で引退し、名誉顧問に就任することになりました。
「アルビン・エイリー・アメリカン・ダンスシアター」は1958年にアメリカの舞踊家アルビン・エイリーが設立しました。
代表作の「リベレーションズ」「クライ」「ブルース組曲」等、「ヒューマニティー」をテーマに、心の底からの表現と、ダイナミックで情熱的な動きで、世界的に絶大な人気を誇る舞踊団です。
現在までに全世界6大陸、71カ国、全米48州に於いて公演し、約23億人の観客を動員してきました。
この舞踊団は非常に入団の選考が厳しく、欠員が出ない限り募集も行われません。
今回ロバート・バトル氏の芸術監督就任に伴い、長年に渡り活動を共にしてきたバトル氏からの厚い信頼を受けて瀬河寬司の入団が決まりました。
10年以上もロバート・バトル氏と行動を共にし、その作品を踊ってきて、その芸術と心を完全に身につけてきているわけですから、茶谷正純さんがアルビン・エイリーの片腕として活躍したように、バトル氏の片腕として瀬河寬司が活躍をすることを期待しています。
かつてロバート・バトル氏は瀬河寬司についてこう言っています。 「彼は心を表現できる。彼が踊ると作品が新しいものに生まれ変わる。」と。
ロバート・バトル氏が芸術監督に選ばれた最大の要因に、アルビン・エイリーを直接知る人達が口をそろえて言われるのは「とにかく人間的にも性格的にも2人がそっくりだ」ということです。それとコレオグラファーとしての魅力だと思います。
つまり、バトル氏の就任によって、アルビン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアターが原点に回帰することを意味していると私たちは考えています。
日本人ダンサーの入団は、1972年から1987年まで同カンパニーのトップダンサーとして活躍された茶谷正純氏以来となり、24年ぶりの快挙となります。
茶谷さんは15年間トップダンサーとして活躍した後、1988年に引退。その後、同シアターのリハーサルディレクターを経て、現在は副芸術監督としてシアターの運営と発展のために力を奮っています。
瀬河寬司は物心のついた頃から、舞踊家である母について 踊りの心を学び、表現性のあるモダンダンスを踊ってきました。
今度の新しい旅立ちに際して彼は、「本当のスタートはこれからです。使命感を感じています。これから魂を込めて全身で世界中で踊りまくっていきたいと思います。心を込めて踊っていくので、これからのひとつずつを楽しみにして見届けて下さい。これから素晴らしいニュースをそちらへ提供し続けていきます。」という内容のメールを母親に送っています。
その通り、これからのひとつずつを楽しみにして見届けて行きたいと思っております。
カンパニーは現在10週間に渡るヨーロッパツアー公演を行っています。
6月21日に始まったノルウェー、オスロ公演を皮切りに、ロシアはモスクワ、サンクトペテルブルクでは歴史と由緒あるマリインスキー劇場での公演を行いました。ダンサー達と観客が一体となるエイリーカンパニーの公演は、毎公演手拍子と掛け声がやむことのない熱狂的な観客に迎えられています。
瀬河寬司はエイリー氏の名作「レベレーションズ」、「夜の生き物」、バトル氏の作品「ザ・ハント」、「ラブストーリーズ」など踊っております。
7月12日のドイツ、ベルリン公演初日ではバトル氏の代表作品であるソロ「タカデミ」を踊ります。
同作品は瀬河寬司がバトルワークス時代から何度も踊ってきた作品であり、今シーズンエイリーカンパニーの新しいレパートリーとなった同作品のカンパニー初演を飾るという大変名誉なことであります。
日付 |
国 | 都市 | 会場 |
---|---|---|---|
6月21日(火)~ 6月25日(土) |
ノルウエイ | オスロ | オペラハウス |
6月28日(火)~ 7月02日(土) |
ロシア | モスクワ | スタニスラフスキー劇場 |
7月04日(火)~ 7月06日(土) |
ロシア | サンクト・ペテルブルグ | マリインスキー劇場 |
7月12日(火)~ 7月17日(土) |
ドイツ | ベルリン | オペラハウス |
7月19日(火)~ 7月31日(日) |
スイス | チューリッヒ | 11劇場 |
8月02日(火)~ 8月14日(日) |
ドイツ | ケルン | フィルハーモニーホール |
8月16日(火)~ 8月21日(日) |
ドイツ | フランクフルト | オペラハウス |
8月23日(火)~ 8月28日(日) |
ドイツ | ハンブルグ | ステートオペラハウス |
神奈川県出身。母、亜甲絵里香のもとでモダンダンスを始め、ユニークバレエシアターでクラシックバレエを堀内完、堀内充に師事。1997年文化庁派遣芸術家在外研修員に選出され渡米、エイリースクールで学ぶ。2000年?2002年エイリーIIに在籍。2002年~2010年まで振付家ロバート・バトルのバトルワークスダンスカンパニーに所属。
また2004年?2011年まで振付家マーク・モリス氏と仕事をし、数多くのモリス版プロダクションに出演した。2011年モリス氏振付によるジョン・アダムスのオペラ「ニクソンインチャイナ」に出演、メトロポリタンオペラにてプリンシパルダンサー役を努めた。その模様はメットライブビューイングプログラムにより全米各地1500の映画館ならびに世界54カ国の映画館で同時中継/再上演された。
指導者としても活躍し、全米各地の教育機関に招待され指導、振付を行っている。
2004年「ダンスプロジェクトニューヨーク(DPNY)」を設立 (www.dpny-us.org)。毎年アメリカ及び日本に於いてDPNYワークショップを開催、次世代のダンサー達の育成に情熱を注いでいる。
2011年4月DPNY主催「DANCE for JAPAN」東日本大震災/津波救済 ベネフィットダンスコンサートを開催、寄付金総額30万ドル(約240万円)を集めニューヨークの日本人協会ジャパンソサエティーに全額寄付した。2011年5月アルビンエイリーアメリカンダンスシアターに入団、ニューヨークを本拠地としながら世界各国にてツアー公演をし活動を続けている。