瀬河華織
5月2~7日、ロシア、ノボシビルスク ―――
最近私は、世界コンクールに出て本当の自分を試したい。そして振付家の母(亜甲絵里香)の踊りをもっと世界の人々に見てほしいという気持ちがとても強くなっていました。そういう時に母からロシアのノボシビルスクという所で国際振付家コンクールがあることを知らされ、私は迷わずに「出たい」と言いました。
初めて行くロシア。初めての国際コンクール。何があるかわからないけれど、行けばまた新しい出会いを持てるし、私にしか出来ないすごい経験が出来る。自分に与えられたチャンスに乗り前進するのみだと思いました。
今回のコンクールは振付家の創作コンクールであり、ダンサーのテクニックを見るコンクールではありません。いろいろと忙しく、2ヶ月足らずしか練習期間はありませんでした。この短い期間で「安達原」と「希望への脱出」という母の人生から振り付けられ、母が訴えようとする深い内容を、19才の私がどこまで理解し表現出来るかが勝負でした。
コンクールにはロシア、中国、イタリーなど20カ国以上から参加しましたが、どの作品も個性があり楽しくきれいで、子供達も生き生きとして本当に楽しんで踊っているのです。審査員も楽しんで見ているし、観客もダンサーも皆が一つになっているのを感じました。
1次2次予選を通過しオペラ・バレエ劇場での決選に進みました。広い広い舞台で私は精一杯に心を込めて母、亜甲絵里香の作品を最後まで踊りました。ソデからも客席からも皆が私を見ていた。私、瀬河華織の存在を精一杯に出し切ったのです。ここまで出来たのは多くの方達のおかげです。通訳のイリナさん、飯島先生、鳥海先生、絵里香先生本当にありがとうございました。
セーヌ 2001年 夏 第42号掲載
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